看護師の仕事そのものは万国共通であり、それぞれの国ごとに免許が必要ですが、看護師としての知識があればどこでも働けます。日本で長く働くのも1つの方法ですが、看護師としてのスキル磨きにこだわるなら、海外での経験も大切になってくるのは間違いありません。基本的な仕事内容は同一であるものの、医療現場の状況は国によってまったく異なります。日本ではまず経験しない、さまざまな出来事に直面するので最初は戸惑ってもおかしくありません。中には、医療福祉サービスが行き届いていないことで起こる深刻なトラブルも含まれているので、医療における命のあり方や仕事への考え方が大きく変わる可能性もあるでしょう。
海外での就労経験が看護師のスキル磨きに適している理由の1つが、多角的なものの見方を学べる点です。1つの方向から見るだけでは、患者の体の具合や心の不安を知ることはほぼ不可能と言えます。時には過酷な状況の中で厳しい選択を強いられることもありますが、多角的な視野があれば冷静に状況を把握して、より正しい選択が行えるでしょう。海外の医療現場の状況は日本と大きく異なる場合も少なくないので、そうした環境で働いた経験は日本での仕事で大いに役立ちます。緊急時の咄嗟の判断やほかの医療スタッフとの接し方など、看護師としての必須スキルを向上させるなら、さまざまな経験を積むのが効果的です。その点から見ても、海外での就労経験は非常に有益と言えます。